2026.2.9
ロイヤリティとは?今さら聞けないビジネスにおける意味や種類、ブランド価値との関係
ロイヤリティ(Loyalty)とは、顧客や従業員が特定の企業・ブランドに対して抱く「愛着」や「忠誠心」を指す言葉です。 ビジネスシーンでは主に、マーケティング領域の「顧客ロイヤリティ」と、人事領域の「従業員ロイヤリティ」の2つの文脈で使用されます。これらを高めることは、リピート率の向上や離職率の低下、組織の生産性向上に直結します。
なお、混同されやすい言葉に「ロイヤルティ(Royalty)」がありますが、これは著作権や特許権などの「権利使用料(印税)」を指し、意味が全く異なります。
本記事では、ロイヤリティの基礎知識から、具体的な向上策、測定指標までを分かりやすく解説します。

目次
ロイヤリティとは?意味や使い方を解説

ロイヤリティ(Loyalty)とは、顧客や従業員への忠誠心や帰属意識などの意味を持つ言葉で、日本のビジネスシーンやマーケティング・人事領域では「顧客ロイヤリティ」や「従業員ロイヤリティ」など、ブランドや企業へのコミットメント・忠誠を意味します。
【ロイヤリティがつく言葉】
顧客ロイヤリティ:
ユーザーが特定の企業やブランドのサービス、商品に対して持つ信頼や愛着心
従業員ロイヤリティ:
従業員が勤める企業に対して抱く信頼や愛着心、帰属意識
マーケティング領域における「ロイヤリティ」、人事領域における「ロイヤリティ」についてはそれぞれ後ほど詳しく紹介します。
ロイヤリティに似た言葉「ロイヤルティ」とは?
忠誠心を意味する「Loyalty(ロイヤリティ)」と、特許権などの使用料を指す「Royalty(ロイヤルティ)」は、全く別の言葉です。ビジネスシーンでの愛着や信頼を語る際は「Loyalty」を指します。
| ロイヤリティ | ロイヤルティ | |
| スペル(英語表記) | Loyalty | Royalty |
| 意味 | コミットメント 忠誠心 | 権利 王族 気品・気高さ |
| 発音表記 | [lɔ́iəlti] | [rɔ́iəlti] |
ロイヤルティ(Royalty)とは、王族や王位、王権という意味のほか、(君主のような)気品、気高さなどの意味で用いられる言葉です。例えば、「ロイヤルティ溢れるアクセサリー」という場合は、「気品あふれるアクセサリー」という意味になります。また、イギリスの王室をロイヤルファミリーと呼ぶのもこの言葉から来ています。
ただし、日本のビジネスシーンで使われる場合は、「特許権」「商標権」「著作権」など、権利の使用料を指すことが一般的です。例えば、「ロイヤルティを著作者に支払う」「本部には売上の20%のロイヤルティが入る」などの使われ方をします。フランチャイズの加盟店が大本の企業に支払う際に発生する使用料や、音楽や写真の使用料など、ビジネスシーンではさまざまな権利が発生しているのです。
どちらも「ロイヤリティ」と一括りに呼ばれることもありますが、本記事では、ビジネスにおける愛着や信頼を指す「ロイヤリティ(Loyalty)」について詳しく解説していきます。
<おまけ>フランチャイズの「ロイヤルティ」とは?
ビジネスシーンで「ロイヤルティ(Royalty)」が頻繁に使われる代表例が、フランチャイズ経営です。加盟店(フランチャイジー)が本部(フランチャイザー)に対し、ブランドの知名度や経営ノウハウを利用する対価として支払う「権利使用料」を指します。
支払い方式は企業によって異なりますが、主に以下の3つのパターンが一般的です。
| 方式 | 内容 |
| 売上歩合方式 | 「月々の売上の10%」など、売上に対してあらかじめ決められた割合の金額を支払う方式で、もっとも一般的。 |
| 粗利分配方式 | 粗利分配方式:売上高から仕入れにかかった費用を差し引いて算出した売上総利益(粗利)に対し一定割合の金額を支払う方式。多くのコンビニエンスストアで採用されている。 |
| 定額方式 | 売上額にかかわらず毎月決まった金額を払う、もっともわかりやすい方式。売上が多い月は手元に多くの利益が残り、少ない月は大きな負担となる可能性がある。 |
フランチャイズ契約を検討する際は、どの方式が採用されているかを確認することが重要です。
マーケティングにおける「ロイヤリティ」とは

マーケティングにおけるロイヤリティとは、顧客が特定のブランドや商品に対して抱く「信頼」や「愛着」を指します。単なるリピーターを超えた「ファン」の状態を指し、LTV(顧客生涯価値)の向上に直結する重要な指標です。
一般的には「顧客ロイヤリティ」と呼ばれ、ロイヤリティが高い顧客には、以下の3つの特徴があります。
- 高い継続利用率: 他社に乗り換えず、繰り返し購入してくれる。
- 顧客単価の向上: 新商品や上位モデル(アップセル)を受け入れてくれやすい。
- 自発的な推奨: 友人やSNSで商品をおすすめし、新規客を呼んでくれる。
ロイヤリティマーケティングの具体策
「ロイヤリティマーケティング」とは、すでに顧客ロイヤリティの高いユーザーに対して、特別な価値を提供し、「特別に扱われている」と感じさせ、関係性をさらに強固にする手法です。
- 優待特典:限定クーポンやオリジナルのノベルティを配布
- 特別体験:顧客限定のイベントへの招待や先行販売
顧客ロイヤリティと顧客エンゲージメントの違い
顧客ロイヤリティがアンケートなどで測る「ブランドへの愛着心(心理面)」を指すのに対し、顧客エンゲージメントは実際の購入やSNSでの反応といった「具体的な行動(親密度)」を指します。
「顧客エンゲージメント」は本来「約束」を意味しますが、ビジネスでは「顧客との絆の深さ」と捉えるのが一般的です。
- 顧客ロイヤリティ: 「好き」「信頼している」という心の状態(指標:NPSなど)
- 顧客エンゲージメント: 「買った」「投稿した」という双方向の行動(指標:リピート率、エンゲージメント率など)
ブランドロイヤリティとストアロイヤリティの違い
ブランドロイヤリティは「特定の商品(メーカー)そのもの」へのこだわりを指し、ストアロイヤリティは「特定の店舗(場所)」を選び続けるこだわりを指します。
- ブランドロイヤリティ:
他の代替ブランドがあるにも関わらず、ある特定のブランドを購入すること - ストアロイヤリティ:
「同じ商品を買うなら、あの店員さんのいるお店がいい」と、継続的な意味でその店舗で購入すること
どちらも「安定した顧客を獲得する」ための重要な指標ですが、マーケティング戦略において「商品」を磨くのか「顧客体験・場」を磨くのか、注力すべきポイントが異なります。
人事分野におけるロイヤリティとは
人事分野では、自社に対して帰属意識が強く忠誠心の高い従業員を「ロイヤリティが高い」と表現することがあります。一般的に、「従業員ロイヤリティ」というキーワードで表現されます。
従業員ロイヤリティが低下すれば、士気も下がり、成果が表れにくくなリます。反対に、従業員ロイヤルティを高めることに成功した企業では、顧客満足度や生産性が向上したり離職率が下がったりする可能性が高くなります。会社が困難に陥っても見放さず、粘り強く立ち向かう従業員も多いでしょう。
従業員ロイヤリティを高めるメリット

従業員ロイヤリティを高めるメリットは以下の通りです。
- 離職率が低くなる
- 長期的人材育成が可能に
- 人材育成における効果判定が簡単に
- リファラル採用を活用しやすくなる
- 組織のイメージが向上
①離職率が低くなる
従業員ロイヤリティが高いと、離職率が下がり、平均勤続年数が長くなりやすいです。また、従業員ロイヤリティスコアの高い従業員は、自ら会社に貢献しようとするため、業務成績が向上する傾向があります。 もし、ライバル企業からの引き抜きの話を出されたとしても、転職を考えることなく、今業務にしっかり取り組んでくれることでしょう。
②長期的人材育成が可能に
従業員ロイヤリティが高まることで、組織は従業員の離職を心配することへの減り、将来の経営ビジョンの実現に向けて、戦略的かつ長期的な人材育成が可能になります。
離職率が高い状態では、せっかく人材育成のための施策を行っても人材が会社から離れていくことで無駄になるということも起こります。そういったリスクを恐れずに人材の育成計画を立てられることは、従業員ロイヤリティ高めるメリットの一つです。
③人材育成における効果判定が簡単に
従業員ロイヤリティの向上によって離職率は下がり、平均勤続年数は伸びます。これにより継続的なモニタリングできるため、人材育成制度や、昇進昇格に関する制度など、組織内のさまざまな評価判定がしやすくなるうえ、正確に行うことができるようになります。
④リファラル採用を活用しやすくなる
従業員ロイヤリティの高い従業員がいれば、「リファラル採用 (リファラルリクルーティング、社員紹介採用) 」がより実施しやすくなります。リファラル採用とは自社の従業員に求職・転職活動をしている知人を紹介、推薦してもらう採用制度のことをいいます。リファラル採用には、採用コストが削減できたり自社とのマッチング精度が上がったりと、多くのメリットがあるため、活用する企業も多く存在します。
⑤組織のイメージが向上
従業員ロイヤリティが高い従業員は、自社の商品やサービスに強い愛着を持っているため、積極的に周囲にアピールします。会社の良い点を自主的に広めてくれます。
このように、企業は従業員ロイヤリティを高める工夫をすることが大切です。とはいえ、あまり難しく考えることはありません。従業員が自然と会社を好きになる、愛着を持てる仕組みや工夫を取り入れれば良いのです。たとえば、社内の風通しを良くして活発にコミュニケーションがはかれる環境を整えることで従業員同士の絆が強くなり、組織に対しても愛着を持ちやすくなります。
従業員ロイヤリティを高めるためには?

従業員ロイヤリティを高めるために必要なことは以下の通りです。
- 従業員が働きやすい環境をつくる
- 従業員の成長を支援する
- 従業員とのコミュニケーションを活性化する
- 従業員を正当に評価する
- 企業のミッションやビジョン、パーパスを共有する
①従業員が働きやすい環境をつくる
従業員が安心して長く働ける環境を整備することで、従業員ロイヤリティを高める効果が期待できます。例えば、フレックスタイム制やリモートワーク制度を導入することで、従業員が自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働けるようになります。また、有給取得の推奨日などを作ることで、取得しやすい雰囲気づくりを行ううのも良いでしょう。
最近では、リモートワークとオフィス出社のハイブリッド形式を取り入れている企業もあります。その場合は、オフィス環境の改善に取り組んだり、リラックスできるスペースを設けるなどの工夫も良いでしょう。
②従業員の成長を支援する
従業員が自身の成長を実感できるよう、研修や教育の機会を提供することは非常に大切です。例えば、スキルアップのための研修制度を充実させたり、資格取得支援制度などを設けることで援助するとよいでしょう。
また、明確なキャリアパスを示したり、上司と部下の1on1を定期的に実施したりすることで、キャリア目標の達成をサポートすることもおすすめです。1on1を実施する際には、上司・部下間でしっかりと振り返りができるようツールを利用するとよいでしょう。記録を残すことで進捗状況や成長が可視化できるため、感覚的な1on1になることを防ぐことができます。
③従業員とのコミュニケーションを活性化する
従業員とのコミュニケーションを活性化し、風通しの良い職場環境を作ることは従業員ロイヤリティの向上に欠かせません。社内イベントを積極的に開催したり、エンゲージメントサーベイや従業員満足度調査などを実施して、従業員からの意見や予防を積極的に聞き取ったりするとよいでしょう。調査をするだけで終わらせず、寄せられた意見を参考に、改善アクションを実行するようにしましょう。
エンゲージメントサーベイについて詳しく知りたい方は、「エンゲージメントサーベイとは?質問の項目や例、効果について解説」の記事も参考にしてください。
④従業員を正当に評価する
従業員が自身の貢献を会社に認められていると実感できるよう、公平で透明性の高い評価制度を導入することも従業員ロイヤリティの向上につながります。例えば、目標の達成度合いだけでなく、日々の業務への取り組み姿勢やプロセスも評価することで、従業員のモチベーションを高めるとよいでしょう。また、360度評価など多角的な評価を取り入れることで、より公平で納得感のある評価を実現することができます。
評価結果に基づいた報酬制度を整えることも従業員ロイヤリティを高める方法です。賞与や昇給など、従業員の頑張りがしっかりと反映されるような仕組みをつくりましょう。
ピポラボでは、賞与や昇給に関する記事も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
「ボーナス/賞与の平均支給額は?ボーナスの種類と額の決まり方は?」
「昇給額の平均はどのくらい?年齢別・企業規模別・業種別にご紹介」
「インセンティブとは|歩合・ボーナスとの違い・導入方法などを簡単に解説」
⑤企業のミッションやビジョン、パーパスを共有する
従業員ロイヤリティを高めるためには、企業のビジョンやミッション、パーパスを従業員に共有することが大切です。なぜなら、企業が目指す方向性や目標を明確に示すことで、従業員は迷いなく同じ目標に向かって行動しやすくなるからです。また、企業としてどのような価値観を持つ人物を求めているのかが明確になることで、「その価値観に沿った行動をとろう」と意識する従業員が増え、パフォーマンスの向上が期待できます。
「ロイヤリティ」に関するよくあるQ&A
Q1:ビジネスで「ロイヤリティ」と「ロイヤルティ」どちらを使うのが正解ですか?
A: 目的によって異なります。顧客の「愛着・忠誠心」を指す場合は「ロイヤリティ(Loyalty)」、特許や著作権の「使用料」を指す場合は「ロイヤルティ(Royalty)」を使います。ただし、日本語では混同されやすいため、前後の文脈で判断するか、英語表記を添えると確実です。
Q2:顧客ロイヤリティが高いと、具体的にどんなメリットがありますか?
A: 最大のメリットは「LTV(顧客生涯価値)の向上」です。ロイヤリティの高い顧客は、リピート率が高くなるだけでなく、他社への乗り換えを防ぎ、さらには「良い口コミ」を広めてくれる広告塔としての役割も果たしてくれます。
Q3:従業員ロイヤリティと従業員エンゲージメントは何が違うのですか?
A: 従業員ロイヤリティは「会社への忠誠心(主従関係に近いニュアンス)」を指すのに対し、従業員エンゲージメントは「会社と個人が対等に貢献し合う親密度」を指します。現代の組織づくりでは、後者の「双方向の絆」を重視する傾向が強まっています。
戦略的なタレントマネジメント運用なら
「COMPANY Talent Management」シリーズ

「COMPANY Talent Management」シリーズは、日本企業の高度で複雑な人事制度に最適化され、人的資本マネジメントを統合的にサポートするタレントマネジメントシステムです。組織ごとに異なる人事課題にスピーディに対応できる豊富な機能を備えており、組織力を強化するための分析や、育成のためのプラン作成等、多岐に渡る人材マネジメント運用がこのシステム一つで実現できます。
「3分でわかる!サービス・プランガイド」をいますぐ無料ダウンロード