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2025.4.1

リテンションとは?意味や効果的な施策を具体的に解説

こんにちは!働きがいを応援するメディア「ピポラボ」を運営するサイダス編集部です。

今回のテーマは、「リテンション」です。「働き方改革」や「人生100年時代」といった言葉が叫ばれる現代において、企業は優秀な人材の確保と定着に、これまで以上に力を入れる必要性に迫られています。

優秀な人材の流出は、企業にとって大きな損失です。採用や教育にかかるコストが増大するだけでなく、組織全体の士気低下や競争力低下にも繋がりかねません。

本記事では、リテンションの概要や、効果的なリテンション施策、従業員のモチベーションアップや長期的に活躍してもらうための取り組みについて解説します。従業員のモチベーションの可視化をするなら、「COMPANY Talent Management」シリーズの導入がおすすめです。

リテンションとは

リテンションの定義

リテンション(Retention)とは、顧客や従業員等を維持すること、日本語では「維持率」「定着率」と訳されます。

企業活動において「リテンション」は重要な経営指標の一つであり、特に人事分野においては、優秀な従業員を企業内に留め、長期的に活躍してもらう、従業員の定着率向上を図るための取り組みを指します。

リテンションは単なる従業員の定着ではなく、企業が従業員に対して提供する環境や機会を通じて、彼らの満足度やエンゲージメントを高めることを含みます。 

従業員の定着が企業に与える影響は大きく、採用コストの削減や業務効率の向上に寄与します。また、長期間にわたる従業員の在籍は、企業に蓄積されたノウハウやスキルの継続的な活用を可能にし、組織全体のパフォーマンス向上に繋がります。 

リテンションとエンゲージメントの違いとは

リテンションは、エンゲージメント等の他の概念とも関連していますが、明確な違いがあります。エンゲージメントは従業員の仕事に対する情熱や献身度を指し、リテンションはその結果としての定着を意味します。

【エンゲージメントとリテンションの違い】

エンゲージメント

  • 従業員が会社の方針に共感し、自発的に貢献したいと思う意欲
  • 従業員と組織の繋がりの強さや信頼の度合い
  • 従業員の意思と組織の方針が合致している状態

リテンション

  • 人材の確保や流出防止を意味する言葉
  • 優秀な人材や若手・中堅社員を流出させないための取り組み
  • 人材の維持(確保)を目的とした人事施策

リテンション施策が重要な理由

リテンションが重要な理由は、以下の3点が挙げられます。

1. 採用コストの削減

優秀な人材を新たに採用するには、求人広告費や採用活動費、教育研修費等、多大なコストがかかります。従業員の定着率を高めることは、これらのコスト削減に直結します。

2. 企業の競争力維持・向上

豊富な知識や経験を持つ既存社員は、企業にとって貴重な財産です。従業員が定着することで、企業は競争力を維持・向上させることができます。

3. 組織力・生産性の向上

従業員が定着することで、チームワークや組織文化が育まれ、組織力や生産性の向上に繋がります。

効果的なリテンション戦略

離職率の高止まりは、企業の成長や業績に直結する重大な課題であり、効果的なリテンション施策はその解決に不可欠です。ここでは離職率削減のための具体的な戦略をご紹介します。

1. 金銭的報酬によるリテンション施策

リテンション施策において、金銭的報酬を活用する方法は非常に重要です。ここでは、能力給やインセンティブの導入方法とその効果、ストックオプションの提供や福利厚生の充実がリテンションに与える影響について詳しく説明します。

能力給やインセンティブの導入

リテンション向上のためには、能力に応じた給与体系の設計が重要です。具体的には、従業員のスキルや成果に基づいて給与を設定し、公正性を保つことが求められます。これにより、従業員は自己の成長を実感し、組織への帰属意識が高まります。

インセンティブ制度の導入は、従業員のモチベーション向上や定着に大きく寄与します。たとえば、業績に応じたボーナスやプロジェクト達成時の特別報酬などを提供することで、従業員は目標達成に向けて積極的に取り組むようになります。これにより、離職率の低下が期待できます。

これらの施策を導入する際には、透明性一貫性が重要です。給与体系やインセンティブ制度の基準を明確にし、全従業員に公平に適用することで、不満や不公平感を防ぎます。また、制度の効果を定期的に評価し、必要に応じて改善を行うことが望ましいとされています。インセンティブ制度について詳しく知りたい方は、「インセンティブとは|歩合・ボーナスとの違い・導入方法などを簡単に解説」の記事も参考にしてください。

福利厚生の充実

リテンション向上のためには福利厚生の充実が重要です。具体的には、健康保険、休暇制度、育児支援等の福利厚生が挙げられます。従業員の生活をサポートし、働きやすい環境を提供することで満足度を高めます。また、福利厚生制度を充実させることで、企業は従業員に対する配慮があることを示し、長期的な勤務意欲を高められます。

効果的な福利厚生制度を構築するためには、他社の成功事例を参考にするとよいでしょう。自社のニーズに合わせた福利厚生を設計し、従業員の満足度を向上させることで、リテンションを強化しましょう。

2. 非金銭的報酬によるリテンション施策

非金銭的報酬とは、給与やボーナスといった金銭的な報酬以外で、従業員に提供される報酬やインセンティブのことで、従業員のエンゲージメントと定着を促進するために欠かせないリテンション施策です。ここでは、就業環境の整備やワークライフバランスの実現、スキルアップ支援、キャリア形成支援等、非金銭的報酬を活用した具体的な戦略について紹介します。

就業環境の整備

リテンションを向上させるためには、快適なオフィス環境リモートワークの導入等、具体的な就業環境の整備が欠かせません。たとえば、自然光を取り入れた明るいオフィスや、従業員が自由に利用できるリラックススペースの設置は、働きやすさを大幅に向上させます。

また、リモートワークを柔軟に取り入れることで、通勤の負担を軽減し、ワークライフバランスを実現することが可能です。柔軟な働き方の導入により、従業員は自身のライフスタイルに合わせた働き方ができるため、長期的な企業への忠誠心が育まれます。

株式会社ビズリーチが2021年に行った調査では、転職希望者の約7割が「リモートワーク可能な企業を志望する」と回答しており、リモートワーク制度が企業の魅力や採用競争力に影響を与える可能性も示唆されています。

参照:株式会社ビズリーチ「リモートワークと出社の併用が「最も生産性が高い」 リモート可否が転職先選びにも影響

これらの調査結果から、リモートワーク制度導入が従業員満足度や定着率にプラスの影響を与える可能性は高いと考えられます。しかし、最適な働き方は業種や業態によって異なります。他社の制度や調査結果を参考に、自社にとって最適な働き方を検討しましょう。

リモートワークについて詳しく知りたい方は、「リモートワークとは何か?|テレワークとの違い・メリットとデメリットが簡単にわかる」の記事も参考にしてください。

スキルアップ支援

スキルアップ支援は、従業員の能力向上を促進するための重要なリテンション施策です。具体的な支援策としては、社内研修外部セミナーの提供、オンラインコースの利用補助等があります。これらの施策により、従業員は最新の知識や技術を習得し、専門性を高められます。

スキルアップ支援は、従業員のキャリア成長とモチベーション向上に直結します。能力の向上が自身の市場価値を高めると感じることで、仕事に対する意欲が増し、組織への忠誠心も強化されます。また、継続的な学習機会を提供することで、従業員は自己実現を達成しやすくなり、長期的な定着に繋がります。

スキルアップについて詳しく知りたい方は、「スキルアップを図る7つの方法とその心得とは?」の記事も参考にしてください。 

キャリア形成支援

キャリア形成支援とは、従業員が自身のキャリアを長期的に計画し、成長できるように企業が提供するサポートのことです。単なるスキル習得にとどまらず、個々の適性や希望に応じた長期的なキャリアパスを描ける環境を整えることで、企業への定着率向上に繋がります。具体的には、メンタープログラムキャリアカウンセリングの導入が効果的です。これらの支援を通じて、従業員は自分の成長とキャリアパスを明確にし、組織内での将来に対する安心感を得ることができます。厚生労働省の調査によると、実際に、メンタープログラムを導入した企業では、メンティのモチベーションが向上したと回答した企業は63.6%、メンティの定着率が向上したと回答した企業は47.5%にのぼります。

参照:厚生労働省「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル

3. 採用段階でのリテンション強化

ここでは、採用段階でのリテンション強化について解説します。具体的には、採用基準の見直しその重要性仕事の厳しい側面を事前に説明することでミスマッチを防ぐ方法、離職リスク可視化ツールの活用や企業の特徴・社風の理解促進について説明します。これらの施策を通じて、採用段階から人材の定着率を向上させる方法を紹介します。

採用基準の見直し

企業が求める人材像を明確にするためには、まず必要なスキルや経験、価値観を洗い出し、具体的な人材プロフィールを作成することが重要です。これにより、採用プロセス全体で一貫性を持ち、適切な候補者を見極める基準が整います。

採用基準の見直しを行うことで、企業と候補者の間に生じるミスマッチを効果的に減少させることができます。明確な基準は、候補者が企業の期待や要求に合致しているかを判断する際の指標となり、結果として離職率の低下に繋がります。

離職リスク可視化ツールの活用

離職リスク可視化ツールは、従業員の離職傾向を事前に察知し、適切な対策を講じるために非常に有効な手段です。これらのツールには、多様な種類と機能があり、企業のニーズに合わせて選択することが可能です。たとえば、データ分析に基づいた予測モデルや、従業員のフィードバックを収集・分析する機能が備わっています。

具体的には、リスク可視化ツールを活用することで、離職リスクの高い従業員を特定し、その原因を詳細に分析することができます。また、実際に導入した企業の事例では、ツールの活用により離職率の削減に成功し、組織全体の安定性と生産性の向上に繋がった例が報告されています。これらの成功ポイントを参考にすることで、他社も効果的なリスク管理を実現できるでしょう。

企業の特徴や社風への理解促進

採用時に企業のミッションや価値観を明確に伝える方法は、求職者が会社の方向性や理念に共感する機会を提供します。これにより、企業文化に適合した人材を効果的に引きつけることが可能となります。

求職者が企業の社風を正しく理解することで、入社後のミスマッチを防ぎ、長期的な定着を促進します。これは、従業員の満足度を高め、離職率の低減に繋がります。

成功した企業の事例を交え、企業の特徴や社風への理解促進を図る具体的なアプローチを提案します。これにより、読者が自身の組織に適用可能な方法を見つけやすくなります。

従業員が辞めない会社づくりを!

本記事では、リテンションの重要性と効果的なリテンション戦略について解説しました。企業は、従業員が安心して長く働き続けられる環境を提供することで、離職率の低下、ひいては企業の成長に繋げることができます。ぜひ本記事を参考に、自社の課題や状況に合わせて、効果的なリテンション戦略を検討してみてください。

リテンション施策の推進には、タレントマネジメントシステムの導入もおすすめです。 

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