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2021.6.15

エンゲージメント・サーベイとは?その意味と行う目的をわかりやすく解説

組織全体の生産性を上げるために、エンゲージメント・サーベイに取り組む企業が増えています。
今回はエンゲージメント・サーベイの意味や特徴を解説するとともに、そもそもエンゲージメントとは何か、近年注目されるワークエンゲージメントやサーベイに取り組む目的、サーベイツールの活用ポイントをお伝えします。

また記事の後半では、サイダスの従業員からエンゲージメント・サーベイツールの導入以外の視点で、日々のエンゲージメントを高めるポイントや、エンゲージメント・サーベイを推進するための方法を紹介します。

エンゲージメントとは

エンゲージメント(engagement)とは、「婚約」「誓約」「約束」を意味する単語で、ビジネス場面においてエンゲージメントは「職場(企業・団体)と従業員の関係性」や「自社と顧客の関係性」を表す際に用いられます。
例えば「従業員のエンゲージメント向上」は、「従業員が自社に対しての愛着や貢献の気持ちや意志を深めること」という意味として使われます。

ワークエンゲージメントとは

エンゲージメントの中でも仕事に対してのポジティブで充実した心理状態を「ワークエンゲージメント」といい、オランダのユートレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリ教授によって提唱されました。

ワークエンゲージメントの3つの要素

ワークエンゲージメントは3つの要素で構成されており、「熱意」「没頭」「活力」の3つが揃った状態を指します。ワークエンゲージメントが高い人は、仕事に誇りとやりがいを感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得て、いきいきしている状態にあるといえます。

熱意

熱意とは、仕事に強い関心を持ち、自分の仕事に誇りややりがいを感じている意欲のある状態を指します。「仕事に熱心である」「仕事は、私に活力を与えてくれる」などの特徴があります。

没頭

没頭とは、仕事に取り組む際に幸福感や時間が早く経つ感覚を持ち、仕事にのめり込んでいる状態を指します。「仕事につい夢中になってしまう「仕事中に幸せだと感じる」などの特徴があります。

活力

活力とは、仕事に対して高いエネルギー水準が維持されており、心理的な回復力があり、困難な課題への取り組みを厭わない状態を指します。「職場では、元気がでる」「仕事をしていると活力がみなぎるように感じる」などの特徴があります。

エンゲージメントを活用・向上するためのエンゲージメント・サーベイ

エンゲージメント・サーベイとは、従業員のエンゲージメントを数値化・定量化するための調査、または調査を行うためのツールそのものを指します。近年では、従業員エンゲージメントへの注目度も高まり、エンゲージメント・サーベイをはかるシステム・サービスも続々と登場しています。

そして、エンゲージメント・サーベイを導入する目的は、従業員のエンゲージメントを高め、企業の業績アップに繋げることが最終的なゴールになります

ただし、エンゲージメント・サーベイを使用しても、勝手にエンゲージメントが高まるわけではありません。エンゲージメント・サーベイはあくまで、組織の課題を可視化するための指標に過ぎません。大事なことは、明らかになった課題ときちんと向き合い解決していくことです。エンゲージメント・サーベイで見つけた特定の個人の課題を追求するのではなく、従業員と一緒に解決方法を検討し、働きやすい環境について考えることが大切になります。

従業員満足度とエンゲージメントの違い

従業員満足度(Employee Satisfaction)とは、従業員の仕事に対する満足度を示す指標のことで、給与をはじめ、企業から従業員に与えられた休暇の日数・福利厚生・職場の人間関係など、さまざまな条件や環境に対して、満足しているかどうかを調査します。

それに対してエンゲージメント・サーベイは、組織と従業員の双方の繋がりを測定するものです。 具体的には、組織の使命・理念・行動指針(Misson Vision Value)の浸透度合いや他者推奨度などを測定します。

なぜエンゲージメント・サーベイが必要なのか

従業員が企業から与えられたものに満足しているかどうかを確かめるために、従来は従業員満足度を重視する傾向がありました。しかし、その指標だけでは、従業員が組織への貢献意識を持っているかどうかまで測定できないため、エンゲージメント・サーベイが必要になってきました。

従業員のエンゲージメントが高い状態とは、従業員が組織の理念や目標を理解し、自ら組織に貢献する意図を持って業務に打ち込んでいる状態です。常に従業員エンゲージメントの高い状態を維持し続けることで、組織と従業員の繋がりがより一層深まっていき、その結果として組織全体のパフォーマンスの向上に繋がっていくのです。

エンゲージメントサーベイを実施する目的

企業を取り巻く環境は大きく変化しています。従業員がやりがいを持って仕事に取り組める環境を実現するには、エンゲージメント・サーベイの目的を明確にする必要があるでしょう。

ここでは、企業がエンゲージメントサーベイを実施する目的を4つ取り上げて説明します。

①組織課題を可視化する

企業と従業員の繋がりが弱ければ、従業員満足度や業績も低くなります。離職率も高くなり、新規採用も難しくなるなど、どんどん負のサイクルに陥ってしまう可能性が高いです。「従業員が満足していない」「思うように力を発揮できていない」という現状課題を可視化するためには、エンゲージメント・サーベイが必要です。

単に業績の高低をはかるだけでは意味がありません。なぜそのような結果になるのか、という過程を可視化しなければ、組織の課題を突き止めることはできないからです。また、最近ではウェルビーイング(well-being)の考え方も浸透し、従業員がどれだけ幸福に働けているのか?という視点も重視されています。

従業員が働く環境が「身体的・精神的・社会的」に良好な状態にあるかどうかエンゲージメントサーベイを使って確認し、組織課題を見つけていくことが重要です。

②従業員について理解を深め、離職を防止する

企業からの一方的な人事評価だけでは、従業員が何を考えているのかまで理解を深めることはできません。また、従業員満足度を確認しても、それは単純に企業が与えた環境への満足度を測るに過ぎず、従業員本人の考え方や今のキャリアに対する悩み、指向性まではなかなか掴めないでしょう。

そのため、従業員を多角的に観察して情報収集をし、理解を深めるという目的でエンゲージメント・サーベイを実施していく必要があります。サーベイを行った結果、従業員が考えていることと企業の望む方向とは異なることもあるかもしれません。

「どのようなギャップが生まれているのか」「企業の伝えたいことがどこまで伝わっているのか」など、従業員に対する理解を深めることで離職防止の対策を打ちやすくなります。

③人事施策に活かす

組織の課題を可視化できれば、従業員の個性や考え方などを理解しやすくなり、そのデータを人事施策に活かすことができます。エンゲージメント・サーベイは組織と従業員の繋がりを見える化して、組織の隠れた課題や予兆を発見する目的があります。

企業が抱えている課題へどのようにアプローチするかを検討し、今後の人事施策に活かすためにも、エンゲージメント・サーベイは必要不可欠です。企業が従業員のコンディションの変化を定期的に察知し、個別面談や環境整備などで従業員一人ひとりのフォローなどを行えば、従業員のモチベーションや仕事に対するやりがいが向上して、定着率アップに繋げることができます。

④従業員エンゲージメントを高めることで、業績をアップさせる

ここまでをまとめると、エンゲージメント・サーベイを行い、企業の抱える課題を可視化し、従業員への理解を深め、人事施策を継続的に行う。このサイクルを回すことが、従業員エンゲージメントを向上させていくために必要でした。

そして冒頭でも述べましたが、エンゲージメント・サーベイの目的は、従業員のエンゲージメントを高め、企業の業績アップに繋げることが最終的なゴールになります。

限られた人員で最大限の利益を生み出すには、エンゲージメント・サーベイを実施し、一人ひとりが常に能力を発揮できる環境を整えなければなりません。従業員と組織の間に信頼関係が生まれ、仕事に前向きに取り組めるようになれば、生産性の低下を防ぐことができます。

エンゲージメント・サーベイの活用ポイント

エンゲージメント・サーベイを導入する目的や得られるメリットがわかっていても、正しい方法で活用しないと、期待した効果を得ることはできません。どのような点に注意しながら導入すればいいのかを把握しておくことで、スムーズな導入が実現します。

ここからは、エンゲージメント・サーベイの活用ポイントについて紹介します。

①エンゲージメントスコアとは何か理解する

エンゲージメントスコアとは、エンゲージメントを左右する10~12項目の項目を用いて、従業員の組織に対する愛着心を数値化したものです。
エンゲージメント・サーベイのサービスは多種多様ですが、一般的にはエンゲージメントスコアを用いて、組織と従業員の繋がりが良好かどうかを確認します。

実施方法はアンケートが中心となりますが、「こうすべきである」という絶対的な方法はありません。現在は多くの企業が手探りで導入している段階ですが、従業員の本音や組織の課題を明確化し、リアルタイムで対策が取れる指標として注目されています。

②従業員にエンゲージメント・サーベイを行う目的を伝える

企業が一方的にエンゲージメント・サーベイを実施するだけでは意味がありません。エンゲージメント・サーベイは、従業員本人にどのようなメリットがあるのか、どんな目的で実施するのかなど、丁寧に説明をしましょう。
フィードバックは誰にするのか、結果をどのような形で活用するのか、といったことまで説明して従業員の不安を取り除くことが大切です。

③従業員がエンゲージメント・サーベイに取り組みやすい環境を作る

エンゲージメント・サーベイを行うためには、さまざまな従業員情報を取得しなければなりません。
調査をすることが目的になってしまわぬよう、従業員が主体的に協力できる環境をつくることが大切です。
エンゲージメント・サーベイを実施する際は、ITツールの利用をおすすめします。従業員が長期的に取り組みやすいツールやサービスを導入すれば、従業員への負担を減らすことができ、より満足のいく結果を得られるようになります。

④エンゲージメント・サーベイを継続して行う

エンゲージメント・サーベイは継続してスコアを取り続けないと、満足のいく効果を期待できません。
一度エンゲージメント・サーベイを実施して企業の抱える課題を解決できたとしても、時間が経過すれば新たな課題が浮上し、それに対する改善策が必要となります。

結果を出すには単発で終わらせずに、PDCAをまわしながら半年・1年など長期的に取り組み、組織全体をブラッシュアップしていくことが大切です。

まとめ

組織の隠れた課題や予兆、従業員と組織の関係性を客観的な指標にするには、エンゲージメント・サーベイが必要です。さまざまなエンゲージメント・サーベイがリリースされていますが、従業員を巻き込むには、継続して取り組みやすいツールを選択する必要があります。
サイダスでは従業員一人ひとりの才能を引き出すツール、従業員が入力しやすいサービスづくりを目指しています。また、貴社にとって必要な機能を柔軟にカスタマイズしていくことが可能です。

今回の記事を参考に、エンゲージメント・サーベイの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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