無料で資料請求
匠の技と次世代への継承を支えるタレントマネジメント

匠の技と次世代への継承を支えるタレントマネジメント

※記事の内容は2025年1月、7月に行われた取材を元に再構成したものです。

飛騨産業株式会社は、岐阜県高山市に本社を置く創業104年を超える家具メーカーです。2016年5月に開催された伊勢志摩サミットの会議用円卓と椅子を手がけたことでも広く知られています。「匠の心と技をもって飛騨を木工の聖地とする」を企業理念に掲げ、飛鳥時代から受け継がれてきた「飛騨の匠」の伝統を背景に、丁寧な手仕事と先進的な機械技術を融合させた「一生もの」の家具を製造・販売しています。
生産する家具はすべて受注生産品で、デザインと材種を組み合わせると商品構成は千種類以上に及びます。多種多様な家具を安定的に生産するために、作業工程を細分化した「ライン生産」方式を採用。各工程における熟練した技が一つひとつ積み重なることで、品質の高い一生ものの家具が完成します。

 

育成制度は充実していた
足りなかったのはデータをつなぐ仕組みだった

飛騨産業では、技術伝承の重要性を企業全体で認識し、OJTや独自の職能資格制度「匠・工匠制度」をはじめ、2014年に開校した「飛騨職人学舎」など、次世代の職人を育む多彩な制度を整えてきました。1970年より技能検定試験への挑戦を続け、現在では100名以上の技能資格保有者が生産に携わっており、日本の家具業界ではトップクラスの資格保有者数を誇ります。
こうした育成施策をさらに深化させるうえで課題となっていたのが、情報の分散です。研修履歴や資格情報は複数のExcelファイルに分かれて管理されており、データを横断的に活用できる状態にはありませんでした。スキル情報を一元化し、人材が不足しそうな工程への育成計画やジョブローテーションの検討に活かしていくために、タレントマネジメントシステムの導入を決断しました。

 

まず「ログインしたくなる」環境をつくることから始める

プロジェクトのキックオフでは「給与明細の電子化」「HR FAQの活用」「資格情報・教育記録の一元化」「評価フィードバック」の4テーマを重点取り組みとして設定しました。社員にとって便利な機能から先に活用を広げることで、まずシステムにログインする習慣を自然につくり出す。そのうえで資格情報や研修履歴といった人事データの集約へと段階的に展開していく方針を取りました。
しかし工場見学を通じて担当者たちが直面したのは、既存のシステムだけでは越えられない壁の存在でした。先輩から身ぶり手ぶりで受け継がれる製造現場の技術には、言葉やデータでは表現しきれない暗黙知が数多く存在します。データ整備と並行して、現場の文化や働き方に寄り添った環境整備が求められることを、あらためて痛感しました。

 

CUBICのデータを「9box」機能で分析
仮配属の新たな参考軸に

飛騨産業ではすでに社内で適性検査CUBICを実施していましたが、そのデータをCTMの「9box」機能で分析することをサイダスより提案。製造部配属を想定した集中力の高さ・繰り返し作業への適性・慎重かつ正確な作業能力など10項目を因子として設定し、仮配属の参考データとして活用しました。

――分析結果をご覧になった感想をお聞かせください。

山之内氏
まず気づいたのは、CUBICの結果と現場での評価にギャップがあるということです。CUBICは一人ひとりのキャラクターを数値化して見せてくれますが、表示された数値はその人の一側面であってすべてではありません。工場では、数値だけでは判断できないことが確実にあります。ただ、これまであまり意識してこなかった”数値化して見る方法”を新たに加えられたことは、とても意味のあることだと思っています。定量的な側面も把握しながら、それだけでは測れない定性的な側面も捉える——両方の見方をすることが大事だと感じました。

飛騨産業株式会社 山之内 勇介 管理部人事担当 次長

 

「HR FAQ」機能で煩雑な社内問い合わせを効率化

総務への繰り返し問い合わせをFAQとして整備。工場と事務所が物理的に離れているため、社員が休憩時間を問い合わせに費やす負担を軽減することも目的のひとつでした。過去2回以上問い合わせがあった内容を洗い出し、カテゴリーごとに整理。シンプルすぎる質問もあえて掲載することで、社員が自己解決できる範囲を広げました。

――運用してみての反響はいかがでしたか?

堀田氏
「HR FAQ」の利用開始から1カ月ほどしかたっていませんが、よくある質問には550件のアクセスがあり、予想以上の反響で驚きました。今後、総務への簡単な問い合わせが「COMPANY Talent Management」シリーズ 上で解決できるようになれば、社員にとっても総務担当者にとっても時間の効率化につながります。

飛騨産業株式会社 堀田 信宏 管理部財務・経理・IT担当 次長

 

人事という切り口が
ものづくりの現場にさらなる変化をもたらす

岡田氏
外部の視点を取り入れながら、社員一人ひとりがキャリアプランを考え、充実して働ける環境が整っているかを確認できる大変良い機会だと思っています。これまで現場の改善活動は積極的に推進してきました。今回、人事という切り口からのプロジェクトが、工場にさらなる良い変化をもたらしてくれることを期待しています。

飛騨産業株式会社 岡田明子 代表取締役社長

 

「COMPANY Talent Management」シリーズ の活用で
匠の技の継承と業務効率化をさらに推進

山之内氏
現場社員の要望を直接ヒアリングしながら共同開発した「スキル育成支援」機能(2025年10月17日リリース)では、動画にメモやテキストを付けられる仕様を実現。後輩指導のツールとしてだけでなく、引き継ぐ人のいない技術や職人の姿を映像で記録・保存する技術継承ツールとしても期待されています。
また、各部署のスキルをレベル1〜4で評価・管理してきたスキルマップの「COMPANY Talent Management」シリーズ 上への移行も検討中です。現場マネジャーだけでなく社員自身が自分のスキルを把握し、成長のモチベーションにつなげられる仕組みを目指しています。一覧表やマニュアルなど体系的な情報を「COMPANY Talent Management」シリーズ 上に蓄積し「システムを見れば情報がある」という状態を構築することで、属人化の解消と組織全体の底上げを図ります。

現場の声に耳を傾け、試行錯誤を重ねながら——飛騨産業とのプロジェクトは、これからも着実に前へ進んでいきます。

匠の技と次世代への継承を支えるタレントマネジメント
飛騨産業株式会社(Hida Sangyo Co., Ltd.)
創立:大正9年(1920年)8月
社員数:441名(2024年10月1日時点)
資本金:1億円
事業内容:家具インテリア用品の製造販売 / 自然エネルギーによる発電事業 / 林業 / 製材業
ウェブサイト:https://hidasangyo.com/
導入規模:400名以上
利用開始:2023年
  • 製造・メーカー
  • 100〜499名
  • 人材情報一元化
  • スキル管理
  • キャリア開発

業種別のよくある導入目的

  • 金融業

    データの一元化/属人化しない配置/育成・キャリア開発/厳しいセキュリティへの対応

  • 製造業・メーカー

    多拠点・多事業所のデータの一元化/研修状況・資格の見える化/管理職の適材適所

  • 建設業

    スキル・資格とプロジェクトのマッチング/1on1で現場育成/成果の見える化

  • 小売・サービス業

    データの一元化/最適配置/リーダー育成/キャリアパス明確化/エンゲージメント向上

  • 士業

    スキル・資格・業務内容・成果の見える化/納得感のある評価/従業員満足度向上

  • 介護・福祉

    人材の定着化/戦力の早期育成/安心感のあるコミュニケーション/働きがいの創出

トップ