

SPECIAL INTERVIEW
北日本銀行の考える
10年ビジョン
北日本銀行について
「地域密着」
「健全経営」「人間尊重」
企業文化を形成する主要な要素である経営理念を、地域金融機関のあるべき姿として全役職員がこれを理解、共有化し業務に取り組んでいます。
創立:1942年2月
資本金:77億61百万円
店舗数:77店舗
従業員数:759名
※2024年3月時点
DXを基盤に
地域の未来を共創する
北日本銀行では、10年ビジョンとして「豊かな人間力と創造的開発力で、未来をデザインする“ユニークバンク”」をかかげています。不確実性の高まる時代において、地方銀行に求められる役割は日々変化するもの。だからこそ、課題をチャンスとして捉える創造的な組織をつくり上げ、地域の未来をデザインしていく銀行でありたいと思います。
北日本銀行 取締役頭取
石塚 恭路
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第3回
北日本銀行の人事施策 キーパーソンインタビュー
未来をデザインする
“ユニークバンク”へ
タレントマネジメントシステム導入で目指す
「チャレンジ」が当たり前の組織
Introduction
北日本銀行は、岩手県を中心に東北地方の経済を支える地方銀行。2020年に、10年ビジョン「豊かな人間力と創造的開発力で、未来をデザインする「ユニークバンク」を制定し「個」を活かす人事制度改革に取り組んでいます。今回は、育成・キャリア開発・評価、それぞれの面から改革を推進する人事部の皆さまにインタビュー。「COMPANY Talent Management 」シリーズ(旧製品名:CYDAS)導入の経緯から実現したい組織の未来に至るまで、お話しいただきました。
※ 「ユニークバンク\ UNIQUE BANK」は株式会社北日本銀行の登録商標です。
※ 記事の内容は取材当時(2025年1月)のものです。
「個」を活かす人事施策には、
人財データを一元化・活用できるDX基盤が
不可欠だった
ー人事制度改革の概要とシステム導入の背景について教えてください。
北日本銀行が10年ビジョンの中で掲げる「ユニークバンク」とは、「お客様に対して、ワクワクするような価値や期待を提供できる銀行」です。このビジョンを達成するためには、職位や年齢、性別などに関係なく誰でも声を上げられる、その声が経営に反映される。そんな良い循環を作るべきだと考えました。また、行員一人ひとりが共通認識を持ち、納得感を持って協働できる環境が不可欠だと考え、人事ビジョンとして「未来をデザインする自律型人財とエンゲージメントの共創」を策定。10年ビジョン実現にむけた人事制度改革を、新たに始めることになりました。
人事ビジョンにおける「自律型人財」とは、「自らの意思で仕事を作り出しキャリアを切り拓く人財」のこと。そうした人財を育成するために、まずは行員一人ひとりの想いやキャリア観を見える化し、各人事施策に落とし込んでいく必要がありました。そもそも、これまで行員の人財データは紙や表計算ツール、担当者の頭の中などバラバラに管理されていました。また、基本的な人財データこそ管理していましたが、行員一人ひとりが持つキャリアへの想いや価値観といった「WILL」を問う機会はありませんでした。画一的な人事施策から「個」を活かす人事施策への方向転換は、人事部としても大きな決断。扱うデータの量や種類も増えますし、人事部の負担が大きくなることは明らかです。だからこそ今回の改革をやり切るために、データの一元化から活用まで、全体のイメージを描けるシステム導入は必須でした。
導入の決め手は、
地銀の導入実績と圧倒的なユーザー目線
ー「COMPANY Talent Management」 シリーズ(旧製品名:CYDAS)
導入の決め手を教えてください。
複数のタレントマネジメントシステムを比較しましたが、きらぼし銀行様や大分銀行様といった様々な地方銀行での導入実績は、大きな魅力でした。ユーザー同士の知見をシェアする機会もあることで、導入後の流れをイメージすることができました。また、一人ひとりの想いを見える化するためには、行員が使いたくなるシステムであるべきだと考えていました。だからこそ、「操作性や機能の種類にこだわって作っている」という製品への向き合い方には、非常に共感しました。サイダスが掲げる「働きがい」というキーワードからも、そうした「ユーザー目線の開発思想」がにじみ出ているように思いました。
ーシステム導入にあたって、不安の声や反発はありませんでしたか。
銀行組織で、新しい人事制度やシステムを導入するときには「支店長の理解と協力」が必須です。「COMPANY Talent Management」 シリーズを導入し、新たな人事施策を推進することが決まってからは、各支店長へ出向き「施策の裏側にある想い」を地道に伝えていきました。当初は「本当にそんなことができるの?」という不安の声もありましたが、草の根的なアプローチを1年ほど継続する中で、現場の意識も変わってきました。また、同時期に管理職向けのマネジメント研修を実施しました。研修のトピックとしてあがった「トップダウンではなく、対話とフィードバックを通じて一人ひとりの成長できるポイントを見つけて引き出す」といったマネジメントの姿勢が、人事ビジョンや「COMPANY Talent Management 」シリーズの機能にうまく繋がって、より現場の納得感を高めることができました。このシステムで育成状況が把握できることで、現場メンバーを定量的なデータからマネジメントすることができるようになりますし、支店長をバックアップする強力な武器になると思いました。
システムを活用して、
行員一人ひとりの「WILL」を知る施策
ーどのようにして行員一人ひとりの「WILL」を見える化しているのでしょうか?
一人ひとりの想いやキャリアに対する考え方といった「WILL」の部分は、普段のコミュニケーションではなかなか見えてきません。そこで、年に1回「自己申告」機能を活用し、これまでの経験、家族情報、自身の強みや弱み、希望職種、やってみたいことを行員自身が考え、組織に対して見える化する機会を作っています。
「自己申告」機能に記載された内容は評価に影響しないという前提で、自由に書いてもらうようにしています。実際に集まったデータを見るまでは不安もありましたが、想像よりも充実した内容ばかりで、未来志向の行員が多いんだなと嬉しく思いました。
最近では、「このエリアで働きたい」「もっとお客様と接する業務に携わりたい」といった希望が、実際の異動や転勤でかなうケースが増えました。特に、近年力を入れている外部出向では、行員の負荷が大きくなる分、自己申告での希望を大切にしています。
未来を自ら描く力を育む 「3つのプログラム」
ー「自律型人財」の育成に向けてどのような施策を展開していますか?
弊行では、「ユニークバンク」の実現および「自律型人財」の育成を目指し、「キャリアデザイン」「キャリアアドベンチャー」「キャリアジャーニー」の3つの育成プログラムを実施しています。
「キャリアデザイン」プログラムは、自己理解を深めたうえで、将来の“ありたい姿”を明確にし、自分自身が納得できる成長目標を設定します。この成長目標の達成を通じて、自分の未来、お客様の未来、そして北日本銀行の未来をデザインしていきます。
「キャリアアドベンチャー」プログラムは、「自律」の前にまず必要な「自立」を促すプログラムで、主に入行後3年間の能力開発の支援を目的としたジョブローテーションを実施しています。このプログラム中は、失敗を恐れずに業務にチャレンジし、レベルアップを図りながらどのようなキャリアを歩みたいかを探求します。
「キャリアジャーニー」プログラムは、入行後4年目以降の能力開発(法人・個人コンサルティングやデジタルスキルチェックなど)を目的としたプログラムです。旅を楽しむような感覚で様々な経験を積み重ねながら、自分の思い描くキャリアデザインを実現していくための取り組みです。
これらのプログラムを効果的に運用して行員一人ひとりのスキルアップを図るため、「COMPANY Talent Management」シリーズを活用して個々の成長を可視化し、支援する体制を整えています。
【 北日本銀行様の施策と活用している機能一覧 】
自分のキャリアを考えるための1on1
ー「キャリアデザイン」という育成プログラムでは、どのようなシステムを活用していますか?
本プログラムでは、「1on1 Talk」機能を活用し、上司と部下との対話を継続的に記録・参照できる環境を整えています。行員一人ひとりが「WILL」を持つには、心理的安全性が保たれていることが前提条件。そのため、頻度は職位によって異なりますが、パートタイム職員から管理職まで1on1を実施しています。
実はシステム導入当初、パートタイム職員の方々は1on1の対象外でした。その中で、「なぜ私たちには1on1の機会がないんですか?」というあるパートさんの一言にハッとさせられました。1on1は、対話を通じて関係性をつくる重要な機会なので、雇用形態や職種、年齢にかかわらず運用されるべきだと思い、2023年からはパートタイム職員や嘱託員の方々にも対象を広げました。
弊行では一度退職しても、再び勤務いただいている再雇用の職員が多数おります。そのため、パートタイム職員が新入行員に業務を教えることもありますし、人財育成に対して強い想いを持った方もたくさんいます。だからこそ、「私はパートなので、キャリアなんて…」という気持ちのままでいるなら、それは組織にとって非常にもったいないことです。職員全員が自分ごととして組織を捉え、それぞれの「WILL」を見つけることができれば、この先の北日本銀行は大きく変わる予感がします。
面白さを感じながら、
積極的なスキルの取得を促す
ー入行1年目から3年目の行員に向けたジョブローテーションは、どのように管理しているのでしょうか。
弊行では、入行1年目から3年目の行員に対し、基礎的な銀行業務全般のスキル取得のために「ファンダメンタルCDP」機能を活用しています。スキルの習熟度合いに応じて、バッジが付与される仕掛けがあり、行員が面白さを感じながら積極的にスキル取得へ取り組める点がとても気に入っています。
システムを導入する前は、営業店ごとに表計算ツールで結果を入力・管理していたため、全体のジョブローテーションの状況が見えづらく、適切なローテーションができていないケースがありました。現在では、システムを通じて現場と人事双方がスキル習得状況を把握できるようになり、より適切なローテーションの計画・実行ができるようになりました。
スキルの可視化と自走型学習を
支援するしくみとは
ースキルのチェックや行員の自発的なスキルの習得のために、どのような取り組みをされていますか?
弊行では現在、個人コンサルティング、法人コンサルティング、専門デジタル分野の全4種類のスキルチェックや学習を促進するため、「プロフェッショナルCDP」機能を活用しています。この機能では、スキルチェックごとに設問数やレベルの設定をし、各分野において組織が求めるスキルを明示しています。そのため行員は、自分が今後どのようなスキルを身につけていけばよいのかイメージしながら、日々の業務に取り組めます。スキルの習熟度については、自己評価と上司評価をレーダーチャートで可視化・比較できるため、上司との間にあるギャップに行員が自ら気づいて経験を積める点が便利だと思っています。
2024年からは「プロフェッショナルCDP」機能と「LMS(学習管理システム)」※他社製品 を連携し、個々のスキルチェックの結果から最適な学習動画がレコメンドされるしくみを構築しました。今後は、デジタル人財の育成にも注力したいため、この機能はさらに活用していきたいです。
「成長が見える」「関係が深まる」
タレントマネジメントが変えた職場環境
ー「COMPANY Talent Management」 シリーズを活用することで、何か変化はありましたか?
はい。弊行では、「COMPANY Talent Management」シリーズを導入したことで次の4つの側面で変化がありました。
1. スキルチェックや自己申告によりデータが集約されたことで、今までよりも、スキルや特性、経験状況などを加味した戦略的な最適配置や育成に繋がりやすくなりました。
2. 育成スケジュールや状況を可視化することで、行員の自発性が促されるだけではなく、状況が把握しやすくなり上司や先輩からフォローやサポートができる体制になりました。
3. 各種エンゲージメントサーベイの結果やスキルチェックのデータ集計の効率化も進み、当初目的としていた、行員のエンゲージメントスコアの一元化や可視化が進みました。
4. 新体制が整ったことにより、1on1ミーティングの実施率が約10%向上したり、「職場の誰かが自分の成長を促してくれる」というエンゲージメントスコアが高まったりと、改善が可視化されることで数値を意識し、さらなる改善に繋がりました。
システムを導入後、様々なデータが蓄積されてきたため、今後は、行員の希望の実現と銀行としてのパフォーマンス向上の両方を踏まえた最適配置を目指したいです。
システムに蓄積されたデータを活かし、
“ユニークバンク”の実現を目指す
ー10年ビジョンが目指す「ユニークバンク」の実現に向けて、今後取り組みたいことを教えてください。
①更なる業務効率化、②ビジョン実現に向けた人事KPIの可視化、③蓄積したデータを活用した最適配置 の3つを重点的に取り組んでいきたいです。
更なる業務効率化については、アナリティクス機能の活用による人員配置や登用、育成の人財抽出の効率を高めたいと考えています。また、各種制度変更により、人事部への問い合わせが増加傾向にあるため、システム内の「FAQ」機能や「チャットボット」機能などの整備も併せて推進し、照会や対応時間の削減を図っていきたいと考えています。
人事ビジョンの実現に向けた人事KPIの可視化については、経営会議での活用や、各種担当者が知りたい情報を自ら取りに行けるよう、人的資本情報、開示関連情報を公開できるようにしていきたいです。近年、情報開示についての感度や社会的な注目度が高まっているため、弊行としてもどのような目標を設定しているのかをはっきりさせること、その中でどの項目を重視するか、独自指数をわかりやすく明確にしようと考えています。
蓄積したデータを活用した最適配置については、システム内に蓄積したスキル、経験、キャリア思考、適性などと経営戦略に合致した人員配置を実施したいと考えています。システム内に過去・現在・未来の人事施策のポイントとなるデータが蓄積されていき、1つのシステムで把握できる状況を作っていくことも併せて重要なことだと考えており、組織力の向上と「ユニークバンク」の実現を目指し、今後も取り組んでいきたいです。
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